自動運転と5G
自動運転の発展には5G (通信システム) が深く関わっています。
5G ⇒ 5 Generation の略。 ( 第5世代移動通信システム )
【 5G までの進化 】
1980年 1G ⇒ 1G の登場により携帯電話が開発された。
1990年 2G ⇒ 携帯電話にメール機能が搭載された。
2001年 3G ⇒ iモード/ezweb 携帯でネットが見れる機能の登場 。
2012年 4G ⇒ スマホで動画を見れてオンラインゲームが発展。
【 5G で出来る事 】
① 高速大容量通信
2時間以上の動画ダウンロードが数秒で可能に!
② 超低遅延通信
大容量の読み込みが途中で止まらない!
③ 多数同時接続
1㎢ あたり100万人同時接続可能!
5Gによって進化するシステム
これから作られる様々な新しい商品は IoT 化 された商品になる。
IoT = Internet of Things
商品に通信機能を持たせ、インターネットに接続し自動で動かせるシステムのこと。
例 : 家にある様々な物が IoT 化していた場合。
① 車の位置情報から車庫のシャッターが開き電気が点灯する。
② スマホで位置を確認しドアが自動で開く。
③ クーラー/ヒーターが起動していて部屋が快適に。等々。
【 道路の設備が5Gにて統合管理 】
信号機・センサー・車・カメラ等が IoT化されて道路状況を管理


・光ビーコン/歩行者感知センサー/信号/カメラ等の情報を一か所に集め交差点の状況を完全把握。
・交差点の情報を車に送信。自動で安全に通行することが出来る。
・5Gによって瞬時に情報交換。遅延無し。同時接続可能。
【 自動運転に必要な4つの通信 】
① V2V ( Vehicle to Vehicle )
車と車。車同士の通信。
実装済み。主に車間距離のシステム。
② V2I ( Vehicle to Infrastructure )
車と信号機などのインフラ設備との通信。
実装済み。信号無視や速度違反時に警告音が鳴る。
③ V2P ( Vehicle to People )
車と歩行者の通信。スマホやカメラなど。
未実装。飛び出しや見えない歩行者も対応可能に。
④ V2N ( Vehicle to Network )
車とネットワークの通信。
未実装。自動運転化の肝。
マップ情報と衛星
【 ダイナミックマップ 】
ダイナミックマップ ( 高精度三次元デジタル地図 ) とは?
・自動運転には必須の地図データ。
・従来の地図データに6つの要素を加えた高精度三次元位置情報
①高さ情報
②各車線情報
③横断歩道情報
④標識情報
⑤ガードレール情報
⑥高架(橋 ・ 鉄道 ・ 道路 ・ 電線路)情報
・刻々と変わる動的情報
①交通規制情報
②工事情報
③事故情報
④渋滞情報
⑤歩行者情報
⑥信号情報
この二つの情報を組み合わせたデジタル地図
それが「ダイナミックマップ」です。

動的情報
信号・歩行者・周辺車両などリアルタイム情報
( 1秒単位での更新 )
準動的情報
交通規制・渋滞・狭域気象などの情報
( 1分以内の更新 )
準静的情報
道路工事や交通規制予定・広域気象情報
( 1時間以内の更新 )
静的情報
路面・車線・建物の位置といった3次元地図情報
( 1カ月以内の更新 )
日本専用の準天頂衛星システム【みちびき】を使うことで車両と地図の誤差を10cm以内にすることが可能に。
【 衛星システムみちびき 】
位置情報と聞いて思い浮かぶのは【GPS】だと思います。
まず、衛星から電波を発信して受信者の位置を特定するシステムのことを
【全球測位衛星システム(GNSS)】
といいます。そして、アメリカで開発された
GNSSの名称が【 GPS 】です。
GNSS = Global Navigation Satellite System
GPS = Global Positioning System
アメリカ ⇒ GPS
欧州連合(EU) ⇒ Galileo
ロシア ⇒ Glonass
日本 ⇒ みちびき
【 GPSの軌道とみちびきの軌道 】
GPSは12時間で地球を一周する軌道を回っていて、
合計24基で地球の全域を包み込むように動いています。
みちびきは地球の自転方向に24時間で一周する軌道を運行。
これにより日本上空に長くとどまることが出来ます。
4基運行しておりGPSと互換性がある信号を使っているので、
みちびきの情報を合わせることで更に位置精度が高くなるのです。
みちびきは追加で3基打ち上げて7基で運行予定。これによりみちびきのみで高い位置特定が出来るようになります。